週 句 天にいます神御自ら、わたしたちにこの工事を成功させてくださる。
聖書 ネヘミヤ記2章20
説 教 「燃えていたではないか」高橋周也牧師
聖書 ルカによる福音書24章13~19節・28~32節
「母の胎内にいる双子の兄妹の会話」
妹は兄に言いました。「私はね、生まれてからも命があるって信じてるの」。兄は激しく反論しました。「いや、ここにあるものがすべてだよ。ここは暗くて居心地がいい。ぼくたちはへその緒にしがみついて、そこから食べ物をもらってさえいればいいんだ」。女の子は言い張ります。「この暗い場所以外にも何かあるはずよ。明るくて、自由に動き回れる場所が」。けれども、妹は双子の兄を説得することはできませんでした。しばらく押し黙ったあと、妹はおずおずと言いました。「…(略)…お母さんっていうものがいるんじゃないかと思うの」。兄はかっとなって言いました。「お母さん、だって?いったい何を言っているんだ!お母さんなんてものは見たことがない…(略)…いったい誰からそんなことを吹き込まれたんだ?…(略)…ここはそんなに悪いところじゃない。必要なものはみんなそろっているんだから、これで満足しようよ」…妹は兄の反応にすっかり圧倒されて、しばらくのあいだ何も言えませんでした。けれども…(略)…「時々、ぎゅっと締めつけられるような感じがあるでしょう?あまりいい気持ちじゃないし、時には痛いこともあるわ」「そうだね、でもそれがどうだっていうのさ?」兄は答えました。すると妹は言いました。「あのね、この締めつけられるような感じは、別の場所に行く準備をさせてくれるためにあるんじゃないかと思うの。ここよりもっと美しい場所、顔と顔を合わせてお母さんを見ることのできる場所に行く準備よ。わくわくするじゃない?」兄は何も答えませんでした。妹のばかばかしい話に辟易(へきえき)してしまい…(略)…―ヘンリ・ナウエン『死を友として生きる』pp.32-33より。