週 句 主があなたを祝福し、あなたを守られるように。主が御顔を向けてあなたを照らしあなたに恵みを与えられるように。主が御顔をあなたに向けてあなたに平安を賜たまわるように。
聖書 民数記 6 章 24~26 節
説 教 「満ち溢れよ」 高橋周也牧師
聖書 コリントの信徒への手紙二9章1~8
「差し出しの恵み」
コリントの信徒への手紙二8~9章は、もともとは他の部分とは独立した手紙だったと言われています。ここは「恵み」の箇所といえます。「恵み」を意味するギリシア語の「カリス」という言葉が、この短いところだけで10回以上用いられているからです。文脈から、パウロは、「試練」についても、他者へ差し出す「贈り物」についても、恵みという言葉で表現していることになります。その捉えの広がりに驚かされ、また教えられます。また、神からの「恵み」を受けた者は応答へと導かれ、しかもそれは共有・交わりを前提としています。「恵み」は、神から恩寵として与えられ、人の行動を通して体験され、その恵みに対する感謝が神に捧げられることで完成を見るのです。
ところで、私たちの教会では水曜日のお祈り会で、詩編の黙想を続けています。述べてきたことと関連して、詩編にはしばしば「民/すべての人はこぞって」という語が登場することに気づかされます。「こぞって」に続くのは「主に賛美せよ」「主に感謝せよ」などの言葉です。「感謝する/エウカリステーオー」は、「カリス」に「エウ(善い)」が付けられた動詞です。神の与えてくださる善い恵みに感謝するのでしょうが、その時に他者を巻き込んでいくのです。つまり、聖書の民は、賛美するにつけ、感謝するにつけ、恵みを共有するのです。
今年も神学校週間を迎え、伝道者養成のために、特に祈り「贈り物」をささげる期間となりました。まず自らに神より大きな恵みが与えられていることを覚え、その感謝を基として、祝福の思いをもって、主のよい業に仕えようとする人々をお支えしてゆきましょう。