05│2023年01月29日

岡山バプテスト教会


週 句 貧しい人は福音を告げ知らされている。わたしにつまずかない人は幸いである。
聖書   ルカ 7章22~23節

説 教 「無駄遣いではなく、良い事。」 高橋周也牧師
聖書   マタイによる福音書26章6~13節

「礼拝をサービスに」
 岡山に来た時に、ある人から「桃太郎の物語は何バージョンご存知ですか」と問われて、桃太郎は1種類しか知らなかったし(今でも知りません)、いくつか他にもバージョンがあるという発想すらなかったので驚きました。ちょうどそれと同じように、聖書には4つの福音書が収められていますが、実は、聖書が文字になる前には福音書を一種類しか知らない人たちが大勢いました。文字の読み書きのできない人がほとんどだった時代に口伝で伝えられたイエス様の物語は、語り手や語る相手・時代によっても多少の変化がついていったのでしょう (私の説教だって教会や対象者によって違う語り方をします) 。今朝の説教箇所は福音書ごとに4バージョンあり(大きく分けると2バージョン)、この女性が、罪深いのか、油を注いだのが頭なのか足なのか、そして、どこで起こった出来事だったのかという大事なところにまで違いがあります。しかし私たちが信仰の書として聖書を開く時には、まずはいずれの物語からも、今日自分に語り聞かされているイエス様の物語として聞いて、受けとめ、応答していきたいものです。
 さて今朝の箇所に登場する女性は、イエス様の頭から油を注ぎ(マーシアハ)ました。それは旧約聖書以来の伝統で、預言者が「この人が王様!」と任命・宣言したことと重なります。「イエス様は主」と告白するのはまさに礼拝行為です。イエス様は、この女性は「わたしに良い事をしてくれたのだ」と言います。私たちはこの女性で言うところの主に油注いだことを、私たちなりにはどのように表現するでしょうか。その答えは私たちに委ねられています。