週 句 あなたたちは、主にささげられた聖なる人々です。
聖書 エズラ記8章28節
説 教 「派遣の品格」高橋周也牧師
聖書 ハガイ書2章20~23節
「聖書の限界に耳を傾ける」
預言者ハガイは2章20節以降、突然、時のユダの総督ゼルバベルに向けた預言をおこないます。ユダの総督とは、ペルシアの任命を受けた政治的な指導者のことです。「国の民皆」に「勇気を出せ」とか「働け」と語ってきたハガイは、なぜここで政治家を特別扱いするようなことをしたのでしょう。ここに聖書の限界があるように思います。本当に主の御心であるなら問題になりません。本当に「主の言葉が臨み」、「主は言われた」のなら、それは成就しなければならなかったはずです。けれども、この後ゼルバベルは失脚したと思われます。名指しされた彼が他の強大な国を滅ぼすということも起こりませんでした。
実は、聖書には、ハガイ書やエズラ記など、後の時代に警告を発するために納められた書物があります。後世の人が聖書を読んでよく考え、過ちを繰り返さないようにと促しています。私たちは聖書を言葉の表面だけではなく、語った人の思いも含めて受け取りたいと思います。人間は過ちによってはじめて見えるようになるものがあります。ハガイの過ちにはハガイなりの理由があったはずです。それはイスラエルの民が抱えた時代の病だったのかもしれません。岡山に縁のある故・河野進牧師の詩に励まされます。「病まなければささげ得ない祈りがある/病まなければ信じ得ない奇蹟がある/病まなければ聴き得ない御言葉がある/病まなければ近づき得ない聖所がある/病まなければ仰ぎ得ない聖顔がある/おお病まなければ私は人間でさえもあり得なかった」そうして私たちのいのちという神殿が建てられることもまた神様が喜びとしてくださることでしょう。