2022年07月31日

岡山バプテスト教会


週 句 あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。
聖書    エフェソの信徒への手紙5章1節

説 教 「熱狂と暴虐の間」高橋周也牧師
聖書    使徒言行録7章44~8章1節a

「熱狂と暴虐の間」
 3週間前、私たちの国の元首相が凶弾に倒れました。それから数日間、繰り返し家庭のお茶の間には、銃声や殺人現場の映像が流れることになりました。私たちがボーっとくつろいでいる時にも、食事をしている時にも、私たちはその死に晒(さら)されることを強いられました。後日政治とカルト宗教のつながり問題が露わになり、現政権が法的根拠のない「国葬」を閣議決定し、波紋を巻き起こしています。死に晒されることは人間にとって大きなストレスであります。銃声や一連の報道は、少なからず私の心も重くしました。
 この1週間の間にはまた、ひとりの死刑囚の刑執行の報を受けました。死刑制度の問題において、理由が正当化されていたとしても、刑の執行者に大きな心理的負担がかかることがよく知られています。戦争から帰ってきた軍人たちも多く心を病んでいます。人にとって死は過大な負担であり、人を殺すことは決して簡単なことではありません。それだけにどんな死も軽く扱われてはならないのです。
 ステファノはなぜ殺されなければならなかったのでしょうか。その死を目撃したサウロ(回心前のパウロ)にとって、その死はなんであったのでしょうか。無分別な(エフェソ5章17節)世界の中で、ステファノは御心を求めて生き、死にました。「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」―このキリストの弟子の信仰が、今日の私たちを死の中から立ち上がらせてくれるでしょう。