22│2023年05月28日
週 句 まことに、主はこう言われる。「大地はすべて荒れ果てる。しかし、わたしは滅ぼし尽くしはしない。」
聖書 エレミヤ書4章27節
説 教 「神の子たちの希望」 高橋周也牧師
聖書 ローマの信徒への手紙8章18~30節
「言葉に言い表せないからこそ神の業」
就職し東京でひとり暮らしをはじめた頃、知り合いもなく孤独に過ごす私に知人が一冊の本を薦めてくれました。当時の自分の精一杯として、ボンヘッファーという神学者の著した『共に生きる生活』という本を、それまでより5分だけ早起きをして、少しずつ読み進めることにしました。私が安心してひとりでいられるようになったのはその時からです。祈るとき、いつも数え切れないほど夥(おびただ)しい証人の群れを感じるようになったからです。また、イエス様が一緒にいてくれる私は、本当の意味では決して孤独に陥(おちい)ることはないという真理が、自分の腑に落ちていきました。その時まで私は、新しい生活の中で怒涛(どとう)のように押し寄せる感情の波に翻弄(ほんろう)され、どう祈ったらよいかもわからなくなっていました。ところがある朝、出勤前に聖書を読み、その本を読み、祈る毎日のなかで、私の「言葉に言い表せないうめき」(26節)私を執り成してくださる聖霊の恵みを深く味わいました。イエス様が私のことをいつも祈っていてくださるのです。大変驚くべきこととして心に感動して実感したのでした。
今日は聖霊降臨日(ペンテコステ)の主日です。全世界の教会の創立記念日とも言えるでしょう。一同が集まっていたところに、聖霊が降って教会が誕生しました。そこには既に多種多様な人々が集められていたという奇跡があり、そこに、聖霊が降った時、人々は幻を見、夢を見、神の言葉を語る者となりました(使徒言行録2章)。それこそが貧しい大工だった者の一味、元田舎(いなか)漁師たち、隔絶されていた社会的弱者たちが、「弱さ」を分け合って生きるという、常識から見れば、驚きと戸惑い、あざけりの対象としかみえない、何とも不思議な教会という共同体の船出でした。